7月に読んだ本とか

今月全然読んでいないな。移動時間に読書していなかったからだろうか。

 

ウェブ企業からアメリカの気質や思想をたどっていく本。アメリカ史の勉強をしてから読み返したい。

 

演劇入門 (講談社現代新書)

演劇入門 (講談社現代新書)

 

1998年に出版された戯曲を書くためのハウツー本だが、ソーシャルメディアが発展した現在の視点から読んでみて面白いと思えるところが多かった。

戯曲は、基本的に、舞台に登場している人間が話す言葉によって、物語を進行させていく。すなわち、「話し言葉を書く」ということが、戯曲の大きな特徴である。(p.28)

過去の歴史において、話し言葉を書くという行為は劇作家の専売特許だったわけだけれど、現代ではソーシャルメディアの発展によってその構造が崩れ始めている。平田オリザ(敬称略)は、パソコン通信のチャットでトラブルが絶えないのは、人類が話し言葉を書くという行為にまだ慣れていないからだと説明している。この本が出版されてから21年後の2019年現在でも、いまだ人類は話し言葉を書くことに慣れておらず、日々炎上が発生しているのを見ると割とげんなりする。

 

また、平田オリザは海外と日本を比較し、日本語が「対話」ではなく「会話」に向いている言語だとしている。

村の中で、知り合い同士が、いかにうまく生活していくかだけを考えればいいのであって、そこから生まれる言語は、同化を促進する「会話」のためのものだけが発達し、差異を許容する「対話」が発達してこなかったのは当然だろう。(p.127〜128)

戦乱の中で、征服と非制服を繰り返し、他国の文化の影響を受け、また他国の文化に影響を与えるうちに洗練を極めた欧州の文化とは、その成立の仕方がいちじるしく異なるのだ。

流動性の高い社会では、当然、自分は何者か、どういう人間でどういうものを愛し、どういうものを嫌っているかを、自分のことを何も知らない人間に一から説明しなければならない。欧州の言語とは、そのような対話を目的として成立してきた言語である。(p.129)

同化を促進する「会話」と差異を許容する「対話」という分類からすると、現代日本のインターネットで流通している言葉は「会話」のためのものがほとんどだろう。特定の集団内でのみ流通する言語ばかりが発達して、他者との対話のための言葉は発達しなかった。インターネットが日本語にもたらしたものは、対話のための言葉ではなく、淫夢語録や恒心語録といった人権侵害コンテンツ出身の語録だったというのは少し悲しい気持ちになる。

 

ヒップホップ・ドリーム (河出文庫)

ヒップホップ・ドリーム (河出文庫)

 

2015年6月(フリースタイルダンジョン開始前だ)に出版された単行本ですでに読んでいたのだけれど、文庫版の出版にあたり大幅に増補されていたので。

 

イルブロス

イルブロス

 

分量が多くなりすぎるので、ここでは漫画は載せないことにしているのだけれど、『ヒップホップ・ドリーム』と関連があるので紹介しておきます。『ヒップホップ・ドリーム』で出てきたエピソードとか出てくるので合わせて読むと楽しいです。

 

三体

三体

 

今読んでいる。