6月に読んだ本とか
6月に読んだ本とかです。
先月読んだ『ニック・ランドと新反動主義 現代世界を覆う〈ダーク〉な思想』の関連書籍。ピーター・ティールがスタンフォードの学生向けに行った企業論の講義をもとに書いた本だが、企業に興味のない僕でも面白く読めた。
ティールはビジネスにおいて最も重要なことは、他者と競い合うことではなく、そういった競争から脱出して独占的な事業を行うことだ、としている。
アメリカ人は競争を崇拝し、競争のおかげで社会主義国と違って自分たちは配給の列に並ばずにすむのだと思っている。でも実際には、資本主義と競争は対極にある。資本主義は資本の蓄積を前提に成り立つのに、完全競争下ではすべての収益が消滅する。だから起業家ならこう肝に銘じるべきだ。永続的な価値を創造してそれを取り込むためには、差別化のないコモディティ・ビジネスを行ってはならない。
『ゼロ・トゥ・ワン 君はゼロから何を生み出せるか』
競争相手の多い市場で他の企業と利益を奪い合うのではなく、競争相手のいない場所に「Exit」して利益を独占すべきとする彼の思想は、ニック・ランドらに影響を与えて新反動主義へと繋がっていく……。
起業に興味がある人だけではなく、自分が勤めている会社について考える機会がほしい社会人、新反動主義者、加速主義者などにもおすすめです。
THE FUTURE OF MONEY お金の未来(WIRED Single Stories 003)
- 作者: Daniel Roth
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ペイパル関連で読んでみた。ティールはそんなに出てこないです。
VANISH 自己消失 デジタル時代に「完璧な失踪」は可能か(WIRED Single Stories 013)
- 作者: Evan Ratliff
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だいたいタイトル通りな感じです。
THE JERUSALEM SYNDROME エルサレム症候群:巡礼者がメシアになる日(WIRED Single Stories 015)
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エルサレムで神の声を聞き、自らをメシアと名乗るようになる人間は結構いるみたいです。自らをメシアと名乗るふたりの患者を病院の一室に閉じ込めたら、お互いを詐欺師呼ばわりして声を荒げて威嚇し合ったというエピソードが倫理観がなくてよかった。
新しい文章力の教室 苦手を得意に変えるナタリー式トレーニング できるビジネスシリーズ
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twitterで1〜2行程度の短文ばかり書いていたら日本語が崩壊してきたので読みました。特に実践はしていないです。
ルポ 電王戦 人間 vs. コンピュータの真実 (NHK出版新書)
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第一回〜第三回電王戦のルポです。
体重100kgのマッチョになってタトゥー入れたい。
ポピュリズムとは何か - 民主主義の敵か、改革の希望か (中公新書)
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ヨーロッパの反イスラム政党は「反民主主義的で反西洋的で女性差別的なイスラムを認めてはならない」という言説で得票数を伸ばしているそうで、民主主義が根付いた国家でそれを利用したレイシズムが発生してしまうのは面白いなと思った。